眩いばかりの喧騒と欲望に彩られた、光の都・パリ。その刹那に咲いた、真実の愛の物語-。

あまりにも有名で“乾杯の歌”をはじめ、全編がドラマティックな旋律に溢れるヴェルディの「椿姫」。オペラの醍醐味が全て詰まったこの名作を、今夏、マエストロ佐渡裕が満を持してお贈りいたします。

Story

19世紀のパリ。美貌の高級娼婦・ヴィオレッタは、結核を患い、その死の予感から逃れるため享楽的な生活を送っていた。しかし、青年アルフレードの真摯な求愛に心を動かされ、華やかな生活を捨てパリの郊外で共に暮らし始める。
ところが、2人の関係を認めないアルフレードの父親ジェルモンが現れ、息子と別れるよう迫る。愛する人のため、苦悩しつつも自ら身を引くヴィオレッタ。一方、そうとは知らないアルフレードは、捨てられたと誤解し、ヴィオレッタを糾弾する。何も語らぬまま、死の床についたヴィオレッタ。
ジェルモンの手紙により真実を知ったアルフレードが駆けつけるが―。

ジュゼッペ・ヴェルディ
(1813-1901)

イタリア・オペラ最大の巨匠。「リゴレット」(1851)「アイーダ」(1871)「ファルスタッフ」(1893)など、現在もその作品の多くが世界の歌劇場のメインレパートリーとなっている。

オペラ史上に燦然と輝くヴェルディ不動の傑作「椿姫」

「不思議だわ。彼の言葉が、胸に刻まれてしまった」。パリの社交界の花形として、パトロンのもと、華やかな生活を送るヴィオレッタ。しかしとある夜会で出会った青年アルフレードの真摯な求愛が、彼女の心に真実の愛の灯をともす。全てを捨てて愛に生きる決心をしたヴィオレッタだが、非情な運命がその前に立ちはだかる―。光の都・パリを舞台にヴィオレッタの愛と哀しみを描くヴェルディの不動の傑作「椿姫」。心湧き立つ“乾杯の歌”、恋の予感に胸を震わす“そはかの人か”、死の床で最後の希望を歌う“パリを離れて”など、思わず口ずさみたくなる美しき旋律、劇的なオーケストレーション、そして眩いばかりに華やかな舞台と衣裳。オペラの醍醐味が全て詰まったこの名作を、今夏、マエストロ佐渡裕が満を持してお贈りします!

10周年に10公演! 芸術文化センターが総力を挙げて創り上げる、夢の舞台

2015年、10周年を迎える芸術文化センター。10周年を記念して、なんと10公演のロングランを実現!国内外から結集した豪華ダブルキャストにより夢の舞台を創り上げます。 ヴィオレッタには、我が国が誇る歌姫・森麻季と、グルジアの新星テオナ・ドヴァリ。アルフレードには、本場イタリアで頭角を現すルチアーノ・ガンチと、昨年の『コジ・ファン・トゥッテ』の好演も記憶に新しい、チャド・シェルトン。ジェルモン役には、今世界が注目するバリトン、マーク・S・ドスと、ドイツ・キール歌劇場の専属歌手として活躍する髙田智宏。そして演出は、イタリアで映画監督としてキャリアを積んだロッコ・モルテッリーティを起用。まるで映画のようなスケール感溢れる映像を随所に散りばめ、ドラマティックな舞台を創り上げます。芸術文化センターが10周年の感謝を込め、総力を挙げてお届けする「椿姫」。ご期待ください。