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2015.07.07

ヴェルディってどんな人? ⑤

公演も迫ってきましたので、ヴェルディの残りの人生を駆け足でめぐっていきます。
1860年代、ヴェルディが50歳を目前に控えた頃から、外国からの新作の依頼も次々と舞い込んでいました。とくに71年にカイロで初演された『アイーダ』はヴェルディのそれまでの集大成とも言える完成度の高い作品となり、初演が大成功を収めただけでなく、各地で上演され大好評を得ます。初演の契約時には破格の作曲料を受け、再演のたびには著作権料を手にして、富と名声の双方がより高まることとなりました。
経済的なゆとりだけでなく、時代の関心がヴェルディからワーグナーへと移りつつあったことも関係するのか、ヴェルディはしばらく新作の作曲から遠ざかります。かわりに農場経営や慈善活動を活発に行いました。 79年、『オテロ』のオペラ化の話がもちあがり、ようやく決断したヴェルディはこの作品を作曲、87年にスカラ座で初演されました。さらに同じくシェイクスピアの戯曲を原作にした『ファルスタッフ』が93年に初演され、ヴェルディ最後のオペラとなりました。
その後97年にストレッポーニが死去、1901年にヴェルディも亡くなり、壮大な国葬が行われます。「国民の父」とまで呼ばれた大作曲家がその生涯を閉じました。

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