作品紹介

愛に憧れ、夢に生きる―ボヘミアンの青春を甘美な旋律で紡ぐ「冷たい手を」「私の名前はミミ」「私が街を歩けば」プッチーニ、永遠の名作
舞台は世界一エネルギッシュな街!リミットは24時間!3人の水兵が、ニューヨークの街を制覇する?!

2022年のプロデュースオペラは、華麗なるイタリア・オペラ、「ラ・ボエーム」。
2020年、コロナの感染拡大により延期となった演目が満を持して登場します。そこで描かれるのは、19世紀前半のパリに集った“ボヘミアン”=定職を持たない若き芸術家たち。貧しくとも夢を糧に生きる彼らを描いたこのオペラの原作はアンリ・ミュルジェの小説ですが、そこからプッチーニと二人の台本作家はお針子ミミと詩人ロドルフォの出会いから別れを物語の軸とし、普遍的な愛と青春のオペラを生み出しました。
プッチーニも自身の若き頃を重ね合わせたと言われる物語。瑞々しい音楽によって、初演から100年以上経った今もなお、世界中で最も愛されるオペラのひとつとして輝きを放っています。

2022年のプロデュースオペラは、華麗なるイタリア・オペラ、「ラ・ボエーム」。
2020年、コロナの感染拡大により延期となった演目が満を持して登場します。そこで描かれるのは、19世紀前半のパリに集った“ボヘミアン”=定職を持たない若き芸術家たち。貧しくとも夢を糧に生きる彼らを描いたこのオペラの原作はアンリ・ミュルジェの小説ですが、そこからプッチーニと二人の台本作家はお針子ミミと詩人ロドルフォの出会いから別れを物語の軸とし、普遍的な愛と青春のオペラを生み出しました。
プッチーニも自身の若き頃を重ね合わせたと言われる物語。瑞々しい音楽によって、初演から100年以上経った今もなお、世界中で最も愛されるオペラのひとつとして輝きを放っています。

ストーリーSTORY

パリ、クリスマス・イヴ。凍えるような部屋。
詩人のロドルフォと画家のマルチェッロが薪を買う金もなく仕事に励んでいるところへ、仲間である哲学者コッリーネと音楽家ショナールが帰ってくる。ショナールの稼ぎを軍資金に、4人は出かけることにするが、ロドルフォは原稿を書き上げるために一人部屋に残る。そこへ「ろうそくの火を分けて欲しい」とやってきたミミ。二人はたちまち恋に落ち、仲間を追って街へと向かう。

物売りや子供達で賑わうパリの街。4人の芸術家とミミはカフェ・モミュスで食事の席に着く。するとマルチェッロの元恋人ムゼッタが現れる。彼女は今や金持ちに囲われる身となっているが、お互いに未練のある二人。遂にムゼッタはパトロンを撒いてマルチェッロの胸へと戻ってくる。

ロドルフォと暮らし始めたミミだが、ある日マルチェッロを訪ね、ロドルフォとの仲に陰りが出ていることを話す。一方のロドルフォもそこにやってきたので、ミミは姿を隠す。ロドルフォはやがて身を切る思いでマルチェッロに真実を話しはじめ・・・。

登場人物
登場人物

米アカデミー賞美術賞に3度輝いた
フェレッティ演出
日本とイタリアから迎える
最高に旬なキャスト

演出はイタリア出身のダンテ・フェレッティ。
フランコ・ゼフィレッリやフェデリコ・フェリーニら名匠の下でキャリアを積み、ハリウッドでマーティン・スコセッシ、ティム・バートン監督映画等の美術を担当、アカデミー賞をも受賞した世界的デザイナーです。 代表作には「インタビュー・ウィズ・バンパイア」「アビエイター」「沈黙」「スウィーニー・トッド」と著名映画がずらり! オペラでは1992年にミラノ・スカラ座「椿姫」の美術を手掛け、現在もスカラ座で上演されています。今回兵庫のために新たに、美しく洗練された「ラ・ボエーム」を創ります。

衣裳デザイン画
ダンテ・フェレッティによる装置デザイン画
©︎Dante Ferretti

「ラ・ボエーム」の登場人物に映るのは若さゆえのエネルギーと儚さ。それらを鮮やかに表現しうる旬の歌手が揃います!
イタリアでオーディションを行い、ミラノ・スカラ座アカデミー出身者たちを選抜。スカラ座にデビューしたばかりの逸材など、現地でも評判の明日のスターを聴く好機です!

一方の日本人歌手は、プロデュースオペラ初登場となるミミ役の砂川涼子、ロドルフォ役の笛田博昭ら、これらの役といえば直ぐに名前が挙がる“決定版”の配役が実現。ドイツ、オーストリアの劇場に所属する髙田智宏、平野和ら第一線で活躍する歌手のアンサンブルにも期待が高まります。

魅力的な各組キャストと関西のプロフェッショナルや児童合唱など総勢100名に及ぶ合唱団で夢のようなオペラをお贈りします!

2020年に中止を決断してから2年、奇跡的にその時と同じキャストが再び集まり
「ラ・ボエーム」を上演します。イタリアでのオーディションで選ばれた才能ある若手に加え、
日本を代表する、また世界で活躍する日本人歌手が再集結し、これ以上ないキャスティングで上演できることを
とてもうれしく思っています。

この「ラ・ボエーム」はオペラの醍醐味が詰まった作品です。ソリストの歌の力はもちろん、
アンサンブルも非常に重要ですし、パリに雪がしんしんと降る様子、登場人物たちの心情や状況がオーケストラで表され、衣裳、装置、照明などが一つになって進行する、まさに総合芸術といえるでしょう。
だからこそ、私たちを一瞬にしてパリへ、そして物語の世界へ連れて行ってくれるのです。

登場するのは、パリの学生街に住む、貧しくも夢がある若者たち。そんな中で対照的な二つの恋がはじまります。一つは相手を思いやるがあまり、うまくいかない恋、もう一方は好きだけれど喧嘩ばかりしてしまう恋。
最後は悲しい運命が待っていますが、ラブ・ストーリーとして秀逸です。

コロナ禍で過ごした期間、誰にとっても変化があった、変化せざるを得なかったと思います。
その間に、世界中から兵庫に集まってくる様々な想いが蓄積されているのではないでしょうか。
今回の上演では、そんな皆の想いが良い意味で何か変化をもたらすのではないかと思っています。
ぜひ楽しみにしていてください。

佐渡 裕